人との連絡には、メールやラインといった電子ツールが主流になってきた昨今、切手を貼って物を送るといった機会も少なくなってきましたね。
なので、切手の図柄なんて気にしないという人は多いはず。
まして10円以下の切手を使う機会なんて少ないでしょう。80円切手を持っていて、2円分を追加で買う、そんな使い方でしょう。
その2円切手の図柄がうさぎ。
ここでは、この切手について深堀りしていきます。
2円切手の図柄はうさぎ
2円切手は冒頭の写真にあるように、真っ白なうさぎです。
このうさぎは「エゾユキウサギ」。
そしてこのエゾユキウサギは、「エゾ(蝦夷)」とつくだけあって、北海道に生息する日本のうさぎなんです。
種としてのユキウサギは、世界の北部地域に生息していますよ。
ネザーランドドワーフやホーランドロップと同じようなうさぎなのかと思うかもしれませんが、違います。このエゾユキウサギはノウサギ属に属します。
ネザーランドやホーランドはアナウサギ属のうさぎ。属単位で違う動物なんです。
この2円切手の発行日は、2014年4月です。
当時は、20年ぶりに郵便料金の引き上げの時期。消費税が5%から8%に上がった年です。
それに合わせてデザインし発行されました。50円から52円へ、80円から82円へということです。
50円と80円を持っている人は、2円切手を貼れば送ることができますので、この機会に新しく発行したんです。
それまで2円切手はしばらくありませんでした。
しばらくなかった、ということは存在していたことがあるということです。2002年まで2円切手は発売されていました。図柄は秋田犬です。
2円切手なんてあまり使いませんから廃止された、そんな流れです。
なぜうさぎ?
2円切手の図柄が、なぜうさぎなのかという疑問もあります。
2014年の新しく発表された図柄は、11種。「日本の自然」をテーマにしています。
うさぎの他には、植物や国立公園が図柄になっていますよ。
デザインは、切手デザイナーの貝淵純子さんという人が手掛けています。日本優郵便のデザイン担当の人。
この人が決めたということで理由までは分かりませんが、テーマの「日本の自然」にあてはまるものから選んだという他、分かりません。
推測するとすれば、「うさぎは跳ねる」といって縁起がいいわけですから、飛躍の年になるよう、そのように決めたのかもしれません。
また、次章で紹介しますが、切手の図柄というのは50円以下は動物の図柄になっています。
動物の中からうさぎが選ばれたということです。そして、日本のうさぎ、エゾナキウサギを選んだのでしょう。カイウサギはヨーロッパ原産ですから海外由来です。
他の切手の図柄は?
2円切手がうさぎだと他の図柄も気になりますよね。2019年現在の切手です。
- 1円・・・前島密
- 2円・・・エゾユキウサギ
- 3円・・・シマリス
- 5円・・・ニホンザル
- 10円 ・・・トキ
- 20円・・・ニホンジカ
- 30円・・・キタキツネ
- 50円・・・ニホンカモシカ
- 62円・・・ソメイヨシノ
- 82円・・・ウメ
- 92円・・・スミレ
- 100円・・・サクラソウ
- 120円・・・フジ
- 140円・・・ヤマブキ
- 205円・・・縄文杉
- 280円・・・那智の滝
- 310円・・・利尻島
- 500円・・・奥入瀬渓流
- 1000円・・・富士山
50円までが動物、62円から140円までが植物、205円から1000円までが日本の国立公園となっています。
8円切手も載せてしまいましたが、これは海外郵便物用の期間限定切手です。
さて、1円の前島密とは誰なのかというと、郵便制度の創設者。
「まえじま ひそか」と読みます。「密」を「ひそか」と呼ぶおしゃれな名前の人です。
原点はこの人にあり、ということで、1円の図柄になっているのでしょう。
まとめ
2円切手はうさぎです。2014年の切手刷新の時に、発行されました。
「跳んで、さらなる飛躍を」。
そんな思いを込めて作られた切手なのかもしれません。(おわり)