1月を睦月、2月を如月、3月を弥生、そして4月は卯月(うづき)と呼ばれます。
「卯」というと、十二支ではうさぎです。
4月はうさぎと関係あるの?そう思うことはないでしょうか。
そんな疑問を紐解いていきます。
卯の意味と卯月について
十二支は子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥のこと。
4番目の「卯」はうさぎです。
だから、卯月というと、うさぎと関係あるのかと思ってしまうかもしれません。
たしかに、そんな説もあるんです。「12支の4番目が卯だから4番目の月の4月に卯を当てはめた」という説が。
しかし他の月は、
- 1月・・・睦月
- 2月・・・如月
- 3月・・・弥生
- 4月・・・卯月
- 5月・・・皐月
- 6月・・・水無月
- 7月・・・文月
- 8月・・・葉月
- 9月・・・長月
- 10月・・・神無月
- 11月・・・霜月
- 12月・・・師走
以上のように全然十二支が入っていません。ですから、この説は当てはまりません。
さて、ここで卯の意味について紹介します。
「卯」の意味
1 十二支の4番目。
2 方角の名。東。
3 昔の時刻の名。今の午前6時ごろ、およびその後の2時間。または午前6時前後の2時間。
4 1にあたる年や日。
5 陰暦2月の異称。引用:デジタル大辞泉
「卯」はうさぎの意味だけではありません。
十二支の他にも、方角や時間、年や日を表すものです。
というのも、昔の中国では方角や時間、年や日に十二支を当てはめていきました。
今年はうさぎ年だと言ったり、時間で丑三つ時とか言ったりしますからね。
月で言うと、以下のように十二支を当てはめていきました。
・陰暦1月・・・寅の月(とらのつき)
・〃 2月・・・卯の月(うのつき)
・〃 3月・・・辰の月(たつのつき)
・〃 4月・・・巳の月(みのつき)
・〃 5月・・・午の月(うまのつき)
・〃 6月・・・未の月(ひつじのつき)
・〃 7月・・・申の月(さるのつき)
・〃 8月・・・酉の月(とりのつき)
・〃 9月・・・戌の月(いぬのつき)
・〃 10月・・・亥の月(いのつき)
・〃 11月・・・子の月(ねのつき)
・〃 12月・・・丑の月(うしのつき)
寅の月(とらのつき)が1番目に来るのが不思議に思うところでしょうが、冬至のある月の陰暦11月を最初にすること決めました。
だから子・丑・寅・卯・・・と始まる1番目の「子」は11月になっています。
5番目の「陰暦2月の異称」というのはこのことです。
- 卯の月(うのつき)
- 卯月(ぼうげつ)
こう読んだ場合、陰暦2月の異称です。4月の異称は卯月(うづき)ですが、陰暦2月の異称でもあるので紛らわしいです。
陰暦というのは、月の満ち欠けて決められた暦。今は太陽の動きで決める暦、太陽暦が使われています。
さらにもう一つ、太陰太陽暦という太陽の動きと月の満ち欠けを合わせた暦があります。
厳密には、太陽暦と陰暦(太陰暦)と太陰太陽暦の3つがあるのですが、陰暦と太陰太陽暦は同じ意味で使われています。
陰暦は太陽暦とズレがあります。
例えば陰暦の2月は新暦でいうと、2月の下旬から4月の上旬あたり。
1か月ぐらいズレていますよ。
4月の卯月について
古代中国では、このように十二支を使って当てはめていきました。そう考えると陰暦2月の卯の場合は、うさぎを意味するようになります。
ではいま日本で使われる4月の卯月はどうでしょうか。
卯月(うづき)は陰暦でも4月の意味として使われていました。それが新暦の4月にも使われるようになっています。
4月の卯月は何で卯月なのかは、諸説あります。
有力とされる定義に、「卯の花」からきているという説があります。
卯の花は「ウツギ」の別名とされていて、アジサイ科ウツギ属の落葉低木です。
ウツギは漢字で書くと、「空木」。
このウツギが陰暦4月(今の4月下旬~6月上旬)に花を咲かせるので、「卯の花」と呼ばれるようになった説です。
卯の花の茎は空洞になっていて、空(から)になっているので、空木と呼ばれています。
しかし、この説には矛盾点があって、卯の花自体の名前の由来が卯月に咲くからという説があります。
すでに卯月というものがあっての名前になりますから、この説ははっきりとしたものではありません。
これ以外にも他の卯月の由来は諸説あるんです。
- 「稲を植(う)える月」=植月だから
- 4月は始まりを意味して、生(う)まれる月だから
「う」を「卯」にあてはめたという説ですね。しかし、これらも諸説の一つにすぎません。
結局は諸説あって、どれが正解か分からない状況です。
まとめ
卯月というと2月と4月の旧名になります。
2月の場合は、十二支をあてはめていったのでうさぎの意味になりますが、4月の場合は、これといった説が分かっていません。
でもすべては十二支から来ているので、うさぎと関係あるといえるかもしれません。(おわり)