ホーランドロップの「ホーランド」ってどんな意味なのでしょうか。
うさぎの品種には、「アメリカンセーブル」や「イングリッシュロップ」、「フレンチロップ」なんてありますから、国名なのかとは、考えますよね。
でも、国名だとしたら「ホーランド」ってどこの国なのでしょうか。
ここでは、この言葉について一考します。
「ホーランド」とは?
ホーランドロップといえば、耳の垂れたうさぎのことです。
「ロップ」は英語では、「lop」で「垂れる」といった意味。
ロップ系のうさぎでは、一番小さいです。「ミニロップ」という品種がいますが、「ミニ」とついている割にホーランドロップより大きいです。
さて、ホーランドですが、どんな意味なのかなと思ってしまいます。これは、フレンチロップなどと同じように国名。
では、ホーランドってどこの国?ってなりますが、オランダのことです。
「ポーランド」と似ていて間違えやすいですが、違います。
そして、ネザーランドドワーフの「ネザーランド」、「ダッチ」もオランダのこと。
非常にややこしいというか、面倒というか、オランダ以外にも言い方がいくつかあります。
ここでは、「ホーランド」を掘り下げて紹介します。
ホーランド
まず、「オランダ」はポルトガル語からきています。
今はネットで簡単に翻訳できますから、やってみると分かります。
「オランダ」をポルトガル語に変換すると、「Holanda」になるはず。
そして、イタリア語でもスペイン語でもそうですが、ラテン語から派生した言語は、「H」は発音されません。
そうなると、「olanda」となって、「オランダ」と聞こえるはずです。
では、なぜポルトガル語なのかということです。
語源をたどると、戦国時代の話に。
1543年、種子島に鉄砲が伝来したと歴史で習いましたが、伝えたのは南蛮人(ポルトガル人)です。以降、南蛮貿易が始まり、以降、ポルトガル人と関わりを持つわけです。
その後は、フランシスコ・ザビエルなど宣教師が、日本にキリスト教を伝えることになりますが、彼らポルトガル人宣教師に由来があるというわけです。(参考:ウィキペディア)
今のオランダ地域のことを、「Holanda」と言っていたので、そのまま「オランダ」と言うようになったわけですね。
「Holanda」がポルトガル語なら、元の言葉は何かというと、オランダ語で「Holland」です。ここでやっと、「ホーランド」がでてきました。
さて、さらにややこしいのが、ホーランドというのは、本来、オランダの一部の地域にすぎません。
オランダには「ホラント州」という州があります。
ここは、オランダの西側に位置して、アムステルダム、ロッテルダム、ハーグという主要な都市があります。オランダの首都はアムステルダム。
この地域は、昔、国家における重要な役割を果たしました。
16世紀前半、スペイン領になっていた時代がありましたが、オランダ独立戦争(80年戦争)を経て独立します。
高校の世界史でも習ったかもしれませんが、オランダの南部10州はスペインに降伏しましたが、ホラント州を中心とする北部7州は戦い続け、独立を達成したのです。
ですから、この「ホラント州」が重要な役割を果たしたのですね。その活躍からオランダ全体をさす呼称として「ホラント(ホーランド)」がありますよ。
なぜホーランドロップ?
次は、なぜ、このうさぎは「ホーランドロップ」なのかということです。
まずは原産国がオランダ。
ですから、オランダを指す「ホーランド」が使われています。
しかし、ネザーランドドワーフの「ネザーランド」も「オランダ」のことです。
「ネザーランドロップ」でもいいのでは?と思ってしまいますよね。
その通りで、最初は「ネザーランドロップ」と言っていました。
それがいつからか「ホーランドロップ」になっています。そう命名されるようになった経緯はよく分かりません。
自然にそうなったのか、命名者がいてそうなったのか、不明です。
このホーランドロップという品種は、最初ネザーランドドワーフとフレンチロップを交配して生まれました。
ネザーランドドワーフも原産国はオランダです。フレンチロップはフランスです。
イングリッシュロップを交配させて、さらに交配を続けて生まれたのが現在のホーランドロップです。
まとめ
ホーランドについて紹介しました。ホーランドはオランダのこと。
ネザーランドもダッチもオランダのことです。色んな言い方があって分かりにくいですよね。
オランダ原産の耳の垂れたうさぎ、それがホーランドロップです。(おわり)