ピーターラビット展が近年全国的に開催されています。
というのも、原作者のビアトリクス・ポターが生誕して150年を記念してのこと。
今年の話ですが、この展覧会に行ってきたので少し紹介します。
ピーターラビットについて
ピーターラビット展は作者が生誕してから150周年を記念して開催された展示会です。
作者のビアトリクスポターが生まれたのは1866年のイギリス。
ピーターラビットのお話自体は、もう少し後の1901年に刊行されていますね。
私も正直あまり詳しくなかったので、最近まで主人公は女の子だと思っていました。
画も情緒的で優しいタッチですから、シルバニアファミリーのようなメルヘンチックな世界という先入観で女の子だと思い込んでいたのです。
実際は男の子。確かに「ピーター」ですからね。ピーターは男の子につける名前です。
あと、そもそもピーターラビットって何?って思っていました。
「うさぎのピーター」なら分かりますが、「ピーターうさぎ」という意味になってしまいます。ピーターという品種があるのかと思ってしまいますよね。
ピーターという品種はもちろんいません。
どうもネザーランドドワーフのようです。しかしネザーは耳が短いですから違うのではないかと思ってしまいますが、この話は100年前以上の前のこと。
品種として改良前のうさぎだったのでしょう。
ピーターラビットは実際作者が飼っていたうさぎの名前がつけられています。
「ピーター」の他、「ベンジャミン」といううさぎを飼っていましたが、その名前が物語にそのまま使われています。
さて、物語でピーターはどんな子なのかというと・・・いたずらっ子。
ファンタジーで皆仲良く暮らすお話なのかと思いきや、畑に忍び込んでレタスやラディッシュをむしゃむしゃ。
人間のマクレガーさんに見つかって必死で逃げます。
トレードマークの青のチョッキは網に引っかかって、靴は畑に落として、やっとのことで家に帰るというちょっとした冒険物の話なんです。
そしてなぜこの物語がこんなに人にヒットしたのかも不思議なところです。
「世界で一番有名なうさぎ」と評されるほど。
理由として挙げられるのが、それまでのイギリスの物語は教訓めいた物語が多かったそう。子供はこうあるべきとか、道徳を重視した内容が多かったので、面白くなかったんだとか。
それに対しこのピーターラビットは、そんなことはなくて子供がただ楽しいと思うだけの内容になっています。
それで爆発的にヒットしたと言われていますね。
意外にシビアな話
ピーターラビットはファンタジーのお話かと思いきや、意外と現実的なところもあります。
家系図が紹介されていましたが、ピーターのお父さんが「パイ」で登場しています。
ピーターラビットはうさぎの話ですが、人間も登場するんです。
お父さんは人間のマクレガーさんに捕まってパイされてしまっているという内容なんです。意外と現実的というかシビアな話で本当に児童文学なのかと思うほどの内容なんですね。
展示会の内容
ピーターラビット展の内容としては、
- 作者ビアトリクスポターについて
- ピーターラビットの誕生経過
- 家系図・登場人物
- 舞台となるイギリスの湖水地方について
などがテーマでした。
あとはぬいぐるみや日本での絵本が展示されていましたね。
こちらの「ぴーたーうさぎ」は1954年(昭和29年)版の紙芝居。
でも、日本に入ってきたのはもっと古くて、1906年には「お伽小説 悪戯な小兎」として翻訳が掲載されています。
日本でも古くから愛されているということですね。
まとめ
ピーターラビット150周年のイベントに行って感じたことを紹介しました。
やさしいタッチの絵柄に冒険のお話。それが人気の秘密かもしれません。お父さんがパイになってしまったというのも意外な内容ですね。(おわり)