近年、俳句がブームになりつつありますね。
テレビでも、俳句を題材にした番組が人気です。
文字数が少ないから簡単なのかと思っても、実際作ってみたら難しいんですよね。
さて、「うさぎ」はいつの季語なのでしょう。
ここでは、うさぎは春・夏・秋・冬・新年のうち、いつの季語なのかについて紹介します。
うさぎは春・夏・秋・冬・新年のうちどれ?
うさぎはいつの季語かということですが、結論から話しますと、「冬」の季語です。
冬の季語だと言われると、ちょっと不思議な感じがするかもしれません。
「月の兎」が有名だから、月が綺麗な「秋」なのかなと思ったり、「うさぎの上り坂」ということわざがあるように、おめでたいから「春」や「新年」の季語なのかなと思ったりしています。
ちなみに季語は、「春・夏・秋・冬」だけでなく、「新年」という、くくりもありますよ。
うさぎは「冬」の季語。
兎は年中野山にいるが、「兎狩」が冬季に行なわれたことより冬の季語となっている。野兎の中には、冬になると保護色で純白になる種類もある。
狩りが冬に行われていたから、うさぎの季語は冬なのだそう。
うさぎ好きにはちょっと切ないですが、こんな考え方もできます。
日本人のイメージとして、うさぎは「白」です。うさぎを思い浮かべるとしたら、真っ白なうさぎを思い浮かべるのでしょう。
そして冬。
冬は雪のイメージがあります。こちらも真っ白。
うさぎの真っ白なイメージは、冬の雪のイメージとぴったりです。ですので、冬の季語と言われても納得できるのではないでしょうか。
俳句の番組「プレバト!!」で、中田喜子さんがうさぎの句を書いていましたよ。
「発車ベル待たずにうさぎ雪の野へ」
この句には、季語が二つありますよね。「うさぎ」と「雪の野」です。
どちらも冬の季語です。
季語が二つ入るのは、本当は良くないのですが、主役と脇役をしっかりと区別すると良いそうです。以下のように添削されていました。
「発車ベルに驚くうさぎ雪の野へ」
たしかに、こうすると、うさぎが主役になっています。上の句だと、「うさぎ」と「雪の野」はどっちがメインで言いたいのか分かりません。
季語の意味合い
俳句というのは、「5・7・5」という少ない文字数の中で、伝えたいことを最大限まで引き出すことが求められます。
ですので、言葉のイメージというのは、とっても大事。
ある言葉を使ったら、皆そのイメージを思い浮かべる・・・。季語はその手法の一つとして大きな役割を持ちます。
例えば、「チューリップ」という単語を使ったら、たいての人は「春」を思い出します。季語の意味合いとして、その言葉が使われていたら、その季節を思い浮かべることができるということです。
少ない文字数の中で、脳裏に情景をありありと映し出させる・・・、それが、「季語」の役割の一つです。
あと、なぜ「季語」を入れなければならないのかという疑問もあります。
まず、俳句は「連歌」に系譜があります。これは、「5・7・7」にプラスして、下の句として、「7・7」から成り立っているもの。
この連歌が、季語を入れなければならないというきまりがあったので、そのまま引き継いでいます。鎌倉時代の話でして、昔の昔に、そのように決めていたんですよ。
まとめ
「うさぎ」の季語は春や秋だと思ってしまいそうですが、「冬」です。
真っ白なうさぎにはぴったりですね。
「雪うさぎ」なんて言葉もありますから、覚えやすいですね。(おわり)